旧友に会うと、「何の仕事をしているの?」と聞かれます。
「放射線技師です」と答えると、放射線技師を知らない大抵の人は、「それって医者?」とか「医者とどう違うの?」って聞かれます。
その違いの一つについて書いていきます。
放射線技師は静脈路確保ができない
医師や看護師との違いの一つに、静脈路(ルート)の確保ができない、という点があります。
CTやMRにて造影検査を行う場合、造影ルートが必要になります。つまり点滴をするということです。
また、核医学検査を行う場合、放射性医薬品を静注(静脈から注射)したりします。
そういうときに、放射線技師が点滴をしたり、注射を行った方が楽なのは間違いありません。
しかし、残念ながら法律がそれを許しません。
我々放射線技師は針刺しという行為が認められていません。なので、このような場合に針を刺してくれるのは大抵看護師の方です。たまに医師がやってくれます。
一部の行為は許されている
ただし、CTやMR検査における造影剤投与終了後に、静脈路の抜針及び止血を行うことは可能です。(条件を満たした場合)
これは、平成27年に施行された診療放射線技師法の一部改正によるものです。着実に我々診療放射線技師の業務拡大が進んでいるということですね。
まあ他の職業も着実に業務拡大を繰り広げているので、うかうかしていられないです。
技師会も動いている
厚生労働省は1月20日の「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」(座長:永井良三・自治医科大学学長)で、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士の3職種への移管が可能とする22項目を示した。
(中略)
このうち意見が割れたのが、静脈路確保だ。現状では静脈路確保は医師と看護師しかできないが、RI検査や造影検査の際に診療放射線技師への移管を認めることで、厚労省は「撮像室への入室から静脈路確保、RI核種の注入、撮像、抜針、止血まで、診療放射線技師による一貫した対応が可能になる」と効果を強調している。
医師は最も医療行為を幅広くできます。
しかし、その分負担も圧倒的に多いわけです。
日本は超高齢化社会ですので、働き方改革を謳う以上、その負担を減らす方向に進んだ方が良いでしょう。
上に引用したニュースにもありますが、検査の流れがスムーズになる可能性が高いわけです。
もちろん穿刺技術を習得するには相当な練習や研修が必要になるのではと考えます。
おわりに
個人的には、各医療職がお互い、働きやすい環境になる方向に進めばいいなと思っています。
既存の業務を取り合うとかではなく…