以前書いた研究発表のスケジューリングについて、続きです。抄録を提出してホッとしていると、あっという間に発表の日が近づいてしまうので注意。
今回は、抄録提出から発表当日まで約2ヶ月あるものとして書きます。
スライドを作る前にやること
「さて、スライド作りに取り掛かるか」という意気込みはいいのですが、スライドを作る前にやることがあります。
それは、原稿作りです。
僕の周りの多くの人がスライドを作った後に原稿を作っていましたが、この方法は悪手です。スライドというのは、自分の喋る内容をより伝えやすくするためのツールに過ぎないのです。
つまり、話す内容が決まっていないのにスライドを作ってところで、発表内容は伝わりづらくなるというわけです。
これを前提に話を進めます。
抄録を提出した翌日には原稿を書く
「抄録無事に提出したし、1週間くらいはゆっくり休むか」なんて思ってしまうのは、仕方のないことです。僕も抄録提出までは土日も出勤して休まず作業していましたから。
しかし、ここで休んでしまうと、人間というのは結構忘れてしまうものなんです。あと一日だけ、頑張りましょう。そのあとは2,3日休んでもいいと思います。
原稿を書く手順
原稿を書く際は、最初に提出した抄録をコピペして、話言葉に直します。
次に、発表の構成として足りないものを加えます。抄録というのは、文字数制限があるため、提出前に色々な情報を削ることがよくあります。これらの情報で必要なものを加えます。例えば、「背景・目的」と一括りにした箇所を「背景」「目的」と分割し、文章を足す。
ここまでを抄録提出翌日にやっておけば、だいぶ楽になります。
原稿の修正とスライド作成の準備(2週間)
実際に原稿を書いてみると、説明として足りていない部分などが分かってきます。そこを補いましょう。追加実験が必要と感じたら、急いで準備し実験をします。
それと同時にスライド作成の準備をします。「原稿を作ったらスライドを作るのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実際に作るのは本当に最後です。
スライド作成の準備とは
まず白紙とペンを用意します。
次に、原稿に沿って必要だと思うスライドを手書きで書きます。
作成したスライドを用いて、原稿を読み進め、発表の模擬演習をします。この模擬演習で気になった部分を修正していきます。
例えば「スライドにおけるアニメーションはこの流れが伝わりやすそうだ」とか、「グラフはこのグラフとこのグラフを比べて見せたら分かりやすそうだ」とか、模擬演習をやって気づくことは少なくありません。
原稿校正・スライド作成と予行演習(2週間)
追加実験などを反映し原稿を校正、スライドを作成したら発表練習に取り掛かります。
ここまでは共同演者しか発表内容を吟味してこないはずです。しかし、色んな人の目で見てもらうために、予行演習をした方がいいです。具体的には、共同演者以外の人を集め、実際の発表と同じように発表をします。そこで質問や意見などをもらいましょう。もらった意見を吟味し、反映します。
最終調整(3週間)
おそらくこの時期が一番中だるみする時期だと思います。ここまで来たら、メリハリをつけて休むことも大事になってくるでしょう。なぜなら、発表前に体調を崩しては元も子もないからです。
予行演習をし、さらに追加実験をすることもあります。その場合は早めにやって結果をまとめましょう。
最終調整をする最後の日を決めておかないと、どんどん発表内容がブレていく可能性があります。なので、この期間は3週間、つまり発表約1週間前としました。
発表内容の暗記(1週間)
ここまで来たら、後は内容を覚えるだけです。原稿内容とスライドの進め方さえ覚えればいいので、1週間あれば大丈夫です。
…なんて言ったものの、無理な人もいると思います。
ぶっちゃけてしまうと、暗記しなくても大丈夫なんですがね。壇上に原稿を持っていくことが禁止されている発表はおそらくないはずです。(カッコ悪いと思う人はいるかもしれませんが)
ずっと原稿を見ながら喋らなければ、聞いている方もそこまで気になりません。気楽にいきましょう。