Part2は造影系をメインに扱っています。
CRA(クラニオール)、CAU(カウダール)
学生時代に習った記憶がほとんど無くてですね…勉強不足だったのだと思いますが。
CRA、CAUは血管撮影で使うことが多いかと思います。
これらは角度の向きを表していて、CRAは頭尾、CAUは尾頭方向を示しています。
使い方は「CRA 30°」みたいな感じです。
RAOにも振っている場合は「R-CRA」なんて言ったりもします。
P(Plain)、CE(Contrast Enhancement)
単純と造影ですね。
造影検査を行う前に、単純画像が欲しい場合があります。
そういった際に「P+CE」と表記をする場合があります。
画像の付帯情報に載ってくる場合もありますね。
A、Po、D
それぞれ時相を表しています。
- A(Arterial Phase):動脈相
- Po(Portal Phase):門脈相
- D(Delay Phase):平衡相
これらはダイナミック撮像をする際に用いることが多いです。
たまに医師から「単純、Early、Delayで」と言われることがあります。この場合は「P+A+D」という意味になります。
(動脈相のタイミングは見たい疾患によってややズレます)
BA
Bronchial Asthmaの略で、気管支喘息を意味します。
気管支喘息を持っている場合、ヨード造影剤の投与は原則禁忌となります。見落とす訳にはいきません。
(気管支喘息を持つ患者さんは、造影CT(非イオン性ヨード造影剤)において、副作用の発生頻度が高いという報告があるようです。)
なので、各病院、慎重な対応をしていることでしょう。
気管支喘息にも、つい最近まで発作が起きている方から、小児喘息で大人になってからは特に何も起きていない方まで、様々です。
医師にもきちんと確認してもらう必要があります。
ちなみに、造影CT前のステロイド投与について、JRSが言及をしています。
ヨード造影剤ならびにガドリニウム造影剤の投与により、急性副作用を生ずることがあります。その症状は、軽度の蕁麻疹や悪心から、心肺停止に至るものまでさまざまです。その発生を確実に予知・予防する方法は存在しませんが、危険因子は知られており、1)造影剤に対する中等度もしくは重度の急性副作用の既往、2)気管支喘息、3)治療を要するアレルギー疾患、等とされています(1)。しかし、これらが存在しても直ちに造影剤の使用が禁忌となるわけではなく、リスク・ベネフィットを事例毎に勘案して投与の可否を判断する必要があります。
急性副作用発生の危険性を軽減できるかもしれない方法として、ステロイド前投薬が試みられることがあります。その有効性について明確なエビデンスはありませんが、急性副作用の少なくとも一部がアレルギーあるいは過敏症によると推定されているため、試みる価値があると考えられています。
「ヨード造影剤ならびにガドリニウム造影剤の急性副作用発症の危険性低減を目的としたステロイド前投薬に関する提言」の改定について
ステロイド投与の有効性を示すエビデンスは乏しいが、無効性を示すエビデンスが無いから続けよう、というスタンスのようです。
eGFR
estimated Glomerular Filtration Rateの略で、推算糸球体濾過値を意味します。
eGFRは、腎機能評価に用います。
ヨード造影剤やガドリニウム造影剤は、腎臓を介して排泄されます。腎機能障害がある場合、重篤な副作用を生じる可能性があり、こちらも注意する必要があります。
腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018