CT

Dual Energy CTとは?各種機構の違いについて解説

Dual Energy CT(以下DECT)は、2種類の管電圧を用いた撮像ができるCTです。

2種類の管電圧を使用するための機構は、装置(メーカー)によって異なります。今回はその機構についての説明です。

※本記事に挿入している図は自作のものとなります。無断使用はご遠慮ください。

DECTで満たすべき条件

DECTの基礎については別の記事にて紹介しました。

Dual Energy CTとは?基礎的な部分について解説昨今の流行でもあるDual Energy CT。 Dual Energyと略して呼ぶことが多いですが、ここではDECTと略します。...

DECTを撮像する上で、必須の条件があります。

  • エネルギーセパレーションが大きい
  • 2つのデータ収集の時間差が小さい
  • 2つのデータ収集の線量が独立してコントロールできる

セパレーションとは分離という意味ですが、2つの異なるエネルギーを分離するという主旨になります。具体的には、エネルギースペクトルの重なりを少なくするということです。

2つのデータ収集の時間差が大きいと、動きの影響を受けやすいです。造影効果も変わってしまいます。

2種類の管電圧を使用するので、線量が独立してコントロールできなければ話になりません。

この条件の満たし方も機構によって異なります。着目点としてください。

Dual Source方式(2管球方式)

Dual Source方式は、2組のX線管と検出器により、同時に異なる管電圧で収集する方式です。

この方式は、ガントリー内に2つの管球が設置されています。正確には、2組のX線管球と検出器がそれぞれ約95度オフセットされた位置にあります。
(片方の管球を基準にして約95度ズラした場所にあるという意味。)

2つの管球から2種類の管電圧(高・低管電圧)のX線を同時照射できます。しかも、それぞれの管電圧で独立して線量の制御ができます。付加フィルタを用いることで、良好なセパレーションが可能です。

管球角度が異なるので、僅かなミスレジストレーションの影響や時相差は生じます。

管球は約95度方向に回転した場所に位置しているため、回転速度の1/4の時間、差が生じます。

Rotate-Rotate方式

Rotate-Rotate方式は、2回転でデータ収集を行います。高エネルギーと低エネルギー、それぞれ1回転ずつ撮像します。

同じ場所を2回転で撮る方式なので、物理的に装置を更新する必要も無いです。ただし、呼吸や腸管の蠕動運動の影響を受けやすいです(ミスレジストレーション)。造影検査においては時相差(特にCTAは顕著)が大きな問題となります。

装置更新は必要ないと言っても、基本的にはボリューム2回撮像が主流です。某320列CTは160mmの幅をボリューム撮像できるため、この装置では使い得ると考えます。

Fast kV Switching方式

Fast kV Switiching方式は、管電圧を高速に切り替えて撮像する方式です。

1管球で高・低管電圧を、高速に切り替えて撮像を行うことができるため、ミスレジストレーションの影響や時相差をほぼ生じません。

この方式では、管電圧を高速切り替えするシステムと、速いX線反応速度を持つ検出器の開発が必要でした。後者は、高速切替された高低管電圧データをオーバーラップさせないよう、時間分解能良く収集するためです。

Dual Layer方式

Dual Layer方式では、異なる2層の材質で検出器を構成しています。

この方式は、検出器側で高・低エネルギーをそれぞれ検出する方式です。つまり、管球側の管電圧を変える必要がありません。

収集された2つのエネルギーに時間的なズレ、空間的なズレが一切ないのが大きな特長です。1管球1管電圧で撮像できるため、時相差を生じず、ミスレジストレーションの影響を受けません。

DECTの原理や撮影方式,アプリケーションなどをCT装置ごとに整理し,さらに,すでにルーチン利用を実現している施設に検査・診断のノウハウを報告していただきました.
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大規模病院で働く診療放射線技師5年目。趣味は昼寝・筋トレ(現在ヘルニアのため中断)・料理・読書など。ブログには新人放射線技師に向けた内容や、仕事に役立ちそうな内容を書いています。 公式LINEアカウントもありますので、気軽にご相談ください。