「大学病院は大変だよ」という話、よく聞きませんか?
自分が学生の頃も、就活の話をしていると「大学病院は大変そうだよね」という話が挙がっていたものです。
僕は約4年間、大学病院へ勤務していました。当時の経験から”大学病院で働いていて大変だと感じたこと”を書きます。
本記事は僕の経験をもとに書いたものです。大学病院以外の大規模病院などでも当てはまる話が含まれていること・大学病院だからといって必ず当てはまるわけではないことをご了承ください。
朝が早い
ルールではなかったのですが、入職当時教えていただいていた先輩の影響もあって、始業時間の1時間半前には病院に着いて着替えていました。
大体6時45分~50分くらいに病院へ着くイメージですね。当時は始業点検の当番が決まっておらず、若手の仕事だよねという雰囲気があったのも一つの理由です。
時代の流れで今はこういった施設が減っているのではないでしょうか。
もちろん朝早く出勤するメリットはたくさんあるのですが、2016年3月まで大学生だった人間にとっては結構大変でした。
ちなみに社会人2年目の後半くらいから、7時前出勤は辞めたと記憶しています。
とにかく忙しい
次から次へと患者さんが来ます。必死に頑張っても緊急検査等が入り予約時間を超えてしまうことが多々ありました。
そして、撮影業務だけをやっていればいいわけではありません。おそらく皆それぞれ個人の業務を抱えています。朝から夕方までフルで働いて、仕事が終わってから個人の業務をやるという形です。
1年目だと特に予習や復習、撮影練習や新しい知識の勉強など色々なことに追われて大変かと思います。
撮影以外の個人の業務
個人の業務について補足説明します。
大きな病院になると、委員会活動というものがあります。学校みたいですね。
委員会活動で抱える個人の業務は基本的に通常の勤務時間内に終わらせることがほぼ不可能なので、業務が終わった後にやります。いわゆる雑用なのですが、誰かがやらないと困るのでやる感じです。
しかしこれも当たりはずれがあります。仕事をやらない人も一定数出るので、真面目に仕事をする人間が損することがあります。残念な話です。
(委員会活動にはある程度残業代が支払われるので、「だったら秘書さんみたいな方を一人雇って外注した方が良くね?」と思っていました。)
他にも後述する研究活動や研修会という勉強会の準備など、やることは様々です。
研究活動や研修会がある
研究活動に関しては、大学病院ではなくてもやっている病院はやっています。
ただし、大学病院の役割の一つが研究活動である以上、研究活動をやらない大学病院はないと言っていいです。
大学病院を選んだにも関わらず、そこから逃げようとする人もいるわけですが…
研究活動は基本的に答えが見えない戦いなので、物凄い時間と労力を費やします。
僕は1年目の終わり頃に研究発表の準備が始まったので、仕事を覚えながら勉強し、研究活動を行うという、大変な生活を送ることになりました。
もちろんその結果得たものが大きいので、自分としては良かったなと思っています。
取り掛かる時期に関しては「うーん…」って感じでしたが。
大変であることは間違いないので紹介しました。
技師の人数が多い
病院の規模が大きくなればなるほど、技師の人数が増える傾向にあります。
人が多いと意見の擦り合わせが大変だったり、変な人がいる確率も単純に高くなります。
人がどんどん入れ替わる
これも大学病院に限った話ではありませんが、大学病院は基本的に毎年就職試験を行っています。
これは、技師の人数が多い分、定年退職が毎年のようにあるというのも理由の一つです。しかし、募集人数が多ければ、定年退職以外の人が毎年辞めていく職場とも捉えられます。
人が毎年辞めていく場合、辞めるのは大抵仕事ができる人や人柄も割と良い人が多い傾向にあると感じています。そうすると、仕事ができない人やアレな人が濃縮されてしまいます。
そんな中で仕事をするのは結構大変だったりします。
もしこの記事を読んでいる方で就活をしている方は、退職率やどういう層が直近で退職しているのか、情報があるといいですね。
もちろん大学病院の中でも離職率が低い病院はあります。
モダリティでも人が入れ替わる
モダリティが不安定な中でも人事異動があり、モダリティ内の人が入れ替わるということがありました。
毎年新人が入ってくる
人がどんどん入れ替わるということは、毎年新人が入ってくるということです。
仕事ができる人が抜け、現場が不安定な中、新人を育てるのは大変だと感じました。
大変なことだけではない
あんまり大変なことばかり書くと、大学病院へ勤務してくださる方がいなくなってしまうと思うので、今思えば良かったなという部分をお伝えします。
掃除や洗濯は別のスタッフが行ってくれる
装置の清拭などは自分たちでやりますが、床の掃除やゴミ箱の中身を別の場所へ持って行くなどは、掃除を専門とするスタッフの方がやってくれました。
ケーシーやスクラブの洗濯も、かごの中に入れてしまえば洗濯されて返ってきます。
今は個人経営のクリニックで働いているので、掃除は自分たちでやりますし、ユニフォームの洗濯も自宅で行っています。
もしかしたら僕が世間知らずなだけで、そういう施設の方が多いのかもしれません。
学会参加費や出張費を補助してもらえる
研究活動以外のことも大きな学会では学ぶことができます。
学会参加費を補助することで、現場に新しい知識や技術等を還元しようという試みです。
新幹線や飛行機を使わなければいけない場所へ行くには移動費がかかります。ホテルに宿泊する場合はもっとお金がかかってしまいますね。そういった場合に補助してもらえるのは大変ありがたいことです。
特に、演者として発表する場合の補助が優先されていました。
とはいえ2021年現在も未だに新型コロナウイルス感染症の影響で、主要な学会は現地開催をしてもあまり人が集まっていない様子です。
また、Webセミナーの方が移動せず手軽という意見もあり、この辺はどうなっているのか現在不明ではあります。
転職する際の強み
単純にネームバリューがあり、「○○大学病院で〇年働いていました」というと、それだけである程度好印象を持ってもらえます。転職はしやすいでしょう。
”大学病院で何年か働いてから別の病院へ転職する”というルートが紹介されるのは、こういった背景があると考えています。