胸部レントゲンの撮り方について書きましたが、頻度としてはほぼ同じくらい腹部のレントゲンも撮るかと思います。こちらについても紹介をします。
胸部レントゲンについてはこちらから↓
デクビタスについてはこちらから↓
腹部レントゲン|正面(立位 PA方向)
撮影前の準備
・焦点-検出器間距離を120 cmにする
・照射野中心と検出器の中心を合わせる
・マークをつける
基本的に準備することは胸部と同じです。
撮影の流れ
・更衣室から呼び入れる
・ブッキー台の前に立ってもらう
・自己紹介と名前の確認(一定の年齢以下の女性は妊娠の有無を確認)
・ブッキー台の高さをある程度調整する(自己紹介の間に調整しておくと早い)
・お腹をブッキー台につけてもらう
・ブッキー台を抱えるようにしてもらう
・ブッキー台横についている手すりの下を握ってもらう
・照射野ランプを点ける
・肩甲骨の下端が照射野の上端になるようにブッキーを動かし合わせる
・背中を触り左右の中心を確認
・ヤコビーを触って照射野に入っているか確認
・ローテーションがないように調整する
・呼吸の合図を入れて撮影
腹部レントゲンの正面について、頭側は横隔膜が入るようにします。
外科的手術後など、Free Airなどがある場合は、横隔膜が挙上している可能性があるので注意してください。
腹部レントゲン|正面(臥位 AP方向)
撮影の準備
・臥位ブッキー台にて、焦点-検出器間距離を120 cmにする
・照射野中心と検出器の中心を合わせる
・マークをつける
撮影の流れ
・ブッキー台に対し真っ直ぐに寝かせる
・大転子を触知する
・ブッキー台に書かれている大角照射野の下端辺りに来るよう動かす
・左右方向を動かし正中に合わせる
・ローテーションがないように調整する
・剣状突起見て、身体が真っ直ぐになっているか確認
大転子の位置を、ブッキー台に書かれている大角照射野の下端辺りに合わせると、像が拡大し、坐骨結節が画像の下に来ます。
見た目だけでは骨盤の位置が分かりづらいため、慣れるまでは、胸部よりも位置合わせが難しい部分があるかと思います。
大転子の位置確認方法は下の図を参照してください!
おわりに
腹部についても撮影する機会が多いと思います。
やはり、一番難しいのは大転子の触知でしょうか。
何回も撮影をしていると感覚で分かってきます、撮影あるのみです!