先日、バックボードでの固定について書いたので、ログロールについても書きます。
ベッドやストレッチャーで来た患者さんのCTでは、CTの寝台へ移動するとき、「じゃあログロールで」とか言って移乗します。
そんな時に、ログロールが何か分かっていないとお話にならないわけですね。
研修医の方が全然ログロールについて分かっていなくて、周りの技師や看護師から冷たい目で見られる光景というのはぼちぼちあります…。
研修医の方は医師国家試験に合格しているとはいえ、やはり研修中の身ですし、全てを知っているわけではないので、あまり冷たい目で見ずに優しく伝えるのが一番ですね。
優しく伝えても…な方がいる、というのも問題なわけですが、話すと長いので割愛します。
絶対に知っておいた方が良い項目なので、チェックしてください!
ログロールとは何か
傷病者の身体を、1本の丸太のように捉え、脊柱軸にひねりや屈曲を加えずに回転させる方法。身体の下にログボードを入れる際に行います。
ログボード以外に、スライディングボードという名称もあります。
ボードの形状は、板の側面をカバーが覆っています。
例えが適切かはわかりませんが、戦車のキャタピラみたいなものです。
実物の画像
ログボードの画像を掲載しました。
(他サイトからの引用)
ログボードのX線吸収率が高いと(例えば金属類)、アーチファクトに繋がってしまいますので、現場ではアーチファクトを引かないようなものを使用しています。
ログロールの手順
①まず、1名が頭部を保持する。
②次に、1人が肩と臀部、もう1人が臀部と下腿部を保持する。
このとき、保持するのはボードを入れる反対側。
③頭部保持者の号令にて、ボードを入れる反対側に90度回転する。
ログボードを入れて移乗する手順
①ログロールの手順に沿って身体を90度回転する。
②ログボードを背中下に入れ、回転を元に戻す。
③身体を移乗する方向にスライドする。
④ログボードごと移乗する。
ログロールのコツ
・身体の横側を保持する人間は、手を交差する。頭側の人間の手が上に来るようにする。
・90度回転するときはしっかり回転し、お腹でも支えるようにする。
・90度回転するときは、外傷部位が下にならないようにする。
・頭部保持者の号令は、「1、2、3」とする。よくいるのは「1,2の、3」で、「の」を入れるとバッシングを食らうので注意。
・挿管チューブがある場合は、抜けないように根本を抑える。接続部も同様。