今話題のAI(人工知能)、深層学習の応用のような意味で使われることが多いかと思います。
おそらく響きがいいのでしょうね。
さて、AIに奪われる仕事、なんてものが話題になったりしますが、放射線技師はどうなのか?
AIの解説も簡単にしつつ、AIと放射線技師の仕事にどういった関係があるのか、僕の考えを述べたいと思います。
そもそもAIとは何か?
AI(Artificial Intelligence):人工知能 という意味です。
Wikipediaには以下のように書かれています。
人間の知的能力をコンピュータ上で実現する、様々な技術・ソフトウェア・コンピューターシステム。
これだけ世間で話題になってはいますが、最後に紹介する本にも書いてある通り
AIは実は存在していません。
正直僕も知りませんでした。
現在この世に存在しているのは、AI技術と呼ぶそうです。
(この記事ではAI技術のことをAIと表記して説明していきます)
近年よく知られているのは、音声認識技術や自然言語処理技術、画像処理技術です。
例えば、iPhoneに搭載されているSiriは、この音声認識技術と自然言語処理技術が組み合わされています。
深層学習(Deep Learning)について
AIは何でもできるというわけではありません。AIを活用するには、ある枠組みを設定する必要があります。
画像認識をできるようにするには、学習させる必要があります。
生まれたての赤ちゃんに色々教えていくような感じですが、人間のように簡単にはいきません。膨大なデータ(俗に言うビックデータ)を用いる必要があります。
これは機械学習といい、コンピューターが与えられたデータを繰り返し学習することで、そのデータの中にあるパターンや経験則を認識していくものです。統計的に画像の特徴を学習し、認識することになります。
その学習の肝となるのが深層学習、Deep Learningです。Deep Learningでは画像のどの特徴を見ればいいか、学習させていきます。
残念ながら僕の今の知識ではDeep Learningについて分かりやすく説明できないのですが…
僕のなかでは、深層というからにはいくつかの層があり、あるデータを突っ込むと、各層にてデータを抽出していくイメージです。これがCNN(Convolution Network)だと思っています。
この各層というのが、上記の特徴です。
例えばバナナを認識するとき、色(=黄色)、形(=三日月型)、表面(=ツルツル)みたいな感じで、特徴がいくつかありますよね。これが前述した層です。
精度を高めるに、正解も不正解も画像でたくさん教えてあげる必要があるのですが、これを教師データ(先ほどの膨大なデータ)といいます。
教師データはインターネットの発達によって急激に増やすことができるようになりました。だからこそ、これだけ現代で話題になっているのだと思います。
放射線技師はAIを”活かせる”仕事
僕はCTに従事しているので、どうしてもCT目線で考えてしまいますが…
やはり画像処理はAIが強いでしょう。既にある程度マクロを組むことができますので、教師データに質のよい完成画像を使えば、もはやワンクリックでほぼ画像処理完成です。
撮影プロトコールなんかも電カルから自動で考えてくれるのではと考えています。
こうやって書くと、「仕事奪われてるやん!」と思われるかもしれませんが、機械に任せられることには限界があると思います。
機械が作ってきた画像が本当に正しい画像かの確認、撮影目的に応じた画像であるかの確認というのは、やはり人間の目がないと厳しいと思います。人によって体の構造や疾患というのは異なりますから。
いくら膨大な教師データを集めることができても、100%大丈夫とは言い難いでしょう。
と言うわけで、自動である程度作ってきてくれた画像を確認する、という方法でかなり仕事量を減らすことができると考えています。
仕事が減れば、他の仕事に時間を費やすこともできますよね。日本は既に超高齢化社会へ突入しているので、楽にできる仕事はどんどん楽にした方がいいと思います。
つまり、放射線技師はAIを活かせる仕事がというわけです。