入職して初めて業務に携わった日。
先輩にお手本を見せてもらい、「じゃあ患者案内からやってみようか」と言われやってみたら、悲惨なことになった思い出があります。
とにかく動けない、次に何を喋らないといけないのかが分からない!そこで僕は思うわけです。
「く、悔しい…」
(この悔しいという感情は大きなバネになりますよね)
で、何をしたかというと、CT検査における患者案内から検査終了までの台本を作りました。今回はその台本をご紹介します。
歩ける患者さんの体幹部単純CTを想定しています。
これが一番の基礎となりますね。
こういうのは本読んでも軽くしか書いてなかったり、施設の流れによって違うので、参考になれば嬉しい限りです。
患者案内
まずは名前を呼ぶ。
- 「○○さん、お待たせしてすみません。検査室へご案内します。」
- 「こちらのお部屋へどうぞ。」
- 「こちらへお願いします。」
など。
・呼び入れ時は一列で行く
:待合室が狭かったため。二列に並ぶとぶつかるし、患者さんを自分が誘導するため。
・椅子や点滴棒などを避けておく
:検査室までの動線は先に確保しておく。
入室後
入室したら、寝てもらう
「こちらのベッドへ腰をかけてください。」
「足を向こう側にして寝てください。」または「こちらの枕が頭側になるように寝てください。」
名前を名乗る
「今日検査を担当する放射線技師のヤマトです。よろしくお願いします。」
名前の確認
「確認のため、お名前を教えてください。」
範囲の説明
「今日は○○~□□まで撮影します。」(曖昧にしない)
その他説明
「検査は3分程度で終わりますので、そのままの姿勢でいてください。」
「呼吸の合図が入りますので、合図に合わせるようお願いします。」
+CT検査が初めての患者さんならどういう検査か説明する。
確認事項
「ペースメーカーは入ってないですか?」
「血糖値を測定する機械は付けていないですか?
ある年齢以下の女性なら、「ご妊娠の可能性はないですか?」
・寝台や挙上など、難しい言葉は使わない。
・寝台に寝るときは、一度座ってから寝る方が安全。
(特に高齢者など)
・ペースメーカーは照射できない種類があるので、要チェック。特に、ICDなどはパルスX線照射不可である。
・妊娠の有無については、かなりデリケートな質問になる。当然聞かなければいけない項目なので、言葉遣いなどには十分配慮する。
ポジショニング
寝台に寝るときは、できるだけ下に寝てもらう。
Feet First(足が寝台側)で寝かせる場合、上に寝かせすぎるとスキャン可能範囲を超える可能性があります。
上肢挙上時
「腕をバンザイの状態にしてください。」
ポジショニングする際
「体の位置を調整しますので○○(場所)を触ります。」
緊張していたり、自ら体を上げてしまう場合
「力を抜いて、楽にしてください」
大転子を触る際
「位置確認のため腰の横側を触ります」
ポジショニングする際は、患者さんの体を触る前に一言言う。
特に男性技師が女性患者を触るときが一番注意しなければいけない。
接触に対し痛みを伴う可能性がある患者さんも、十分注意をする。
検査中
検査開始
「○○さん、検査を始めます。呼吸の合図に合わせてください。」
スカウト撮影後
「次の撮影の準備をしています、そのままの姿勢でお待ちください。」
寝台移動
「ベッドが動きます。」
撮影直前
「もう一度呼吸の合図が入りますので、合わせるようお願いします。」
検査終了後
「○○さん、お疲れ様でした。ご気分お変わりないですか?」
「手は降ろして大丈夫ですよ。」
寝台が高い状態で動いたら
「台が下がるまでお待ちください。」
「この後他に検査や診察はありますか?」
更衣室に案内
「お疲れ様でした。」
・寝台が動いている間に、患者が起き上がらないようにする。急いで患者を降ろそうとした結果、重大な事故に発展したケースもある。
・この検査以外にも、他検査や診察へ向かう場合もある。次の行動を案内するのも放射線技師の仕事。
おわりに
今回は一番頻度が高くベースになるパターンに絞って書きました。
今後、造影剤を使う時のパターンなども書いていきたいと思います。