今回は度々質問があった、放射線技師の給料について、実体験と国の調査結果をベースにお話します。
放射線技師の給料は良い?
放射線技師の給料ってどういうイメージがありますか?
そもそも放射線技師というのは国家資格なので、安定してお給料が貰えるというイメージがあるかもしれません。技師を目指そうとする多くの方は、このイメージから入るのではないでしょうか。くいっぱぐれのない資格というのは貴重ですからね。
年収も普通に暮らしていく分には良いだろうというイメージもあるかなと思います。
では、具体的な数字を追って見ていきましょう。
世間一般の給料と放射線技師の給料
賃金構造基本統計調査や国税庁の調査結果をもとに話を進めます。
世間一般の平均年収
先ず一般的に、会社員というのはいくらぐらい稼いでいるのかご存知でしょうか。1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均年収は467万円だそうです。
しかし、給与所得者の7割程度が年収500万円以下と言われているので、中央値はもっと低い金額であることが分かります。
こういった数字を見ると、平均より低くても年収400万円稼いでいれば十分なんじゃないかと思ったりします。
放射線技師の平均年収
放射線技師の平均月収は約32万円、年間賞与は約88万円です。なので、放射線技師の平均年収は単純計算で約470万円となります。
先ほどお話した世間一般の給料と比較すると、十分貰っている方なのかなと思います。
初任給の相場と伸びしろについて
初任給の相場はだいたい20万円くらいです。病院によって多少変わるくらいで大した差はないです。
ただし、給料の伸びしろがバラバラなので、生涯年収は結構変わってくると思います。例えば、公立の病院であれば公務員の給与体系に沿って基本給が上がっていきます。管理職になればその分給料が上がったりします。
ちなみに、50代になると平均月収が約40万円、年間賞与が約120万円なので、単純計算で年収約600万円となります。50代で年収約600万円だと物足りない気もします。
実際に貰った初任給
それでは実際に僕が貰った初任給についてお話します。ブログやTwitterでもお話していますが、新卒で入職したのは大学病院です。
初任給の額は通勤手当を合わせて240,140円でした。そこから諸々控除されて、手取りは204,350円でした。
給与明細を追っていきましょう。
基本給は当時181,500円でした。ここに地域手当が29,040円つくので、基本的な月収は合わせて210,540円です。なので初任給の相場とほぼ変わらないかほんの少し上だったということですね。
総支給額と手取りの話
給料って額面通りの金額を貰えないということは皆さんご存じの通りだと思いますが、社会人2年目以降は支給額の約2割を税金で持っていかれます。
病院からの支給額から保険料や税金を取られた額が、実際に支払われる額です。通称手取りというやつですね。
給与明細の読み方は学校では教えてくれないので、自分で調べたり勉強する必要があります。学校で教えてしまうと楽に税金が回収できなくなる可能性が高いからだと思っています。
サイフの穴を防ぐにはという本が分かりやすく書いてあったのでオススメです。よろしければご覧ください。
2年目の給料について
2年目の給料について少しお話します。何故なら、2年目になると色々給料の中身が変わってくるからです。
主に変わる要素は、昇給・当直・住民税の3つです。
昇給について
昇給幅は病院によって変わると思いますが、僕は7,500円くらい昇給がありました。3年目、4年目も同じように昇給しています。
当直について
当直に入る時期は人それぞれなのですが、周囲の話を聞く限り、大体2年目になる前後のどこかで入る病院が多いです。
当直手当や夜勤手当など、名前は病院によって違うと思いますが、僕は1回当直に入るたびに6,400円貰っていました。当直手当とは別に、残業代も入ります。しかも夜勤帯は通常の時給よりも良いので、結果的に1回当直に入ると1万円ちょい貰えます。
住民税について
先ほどお話した初任給では住民税が引かれていませんでした。
住民税は前年1年間の給与などに課せられる税金で、6月から翌年の5月まで毎月支払うことになります。要するに、2年目の6月からは毎月住民税が引かれるということです。大体毎月1万円くらい引かれるという感覚です。
ちなみに住民税ってよく誤解されてしまうんですが、どこに住んでいても同じ額持ってかれます。僕も勉強するまで知りませんでした。都会だから高いとか、田舎だから安いとか、特にないんですね。
そんなわけで給料は増えるけど住民税が引かれるよね、という感じで、1年目の頃と比べて手取りは±0とまではいかないけど、ちょっとプラスかなあぐらいです。
せっかくできる仕事が増えて給料も上がったのに、持っていかれる税金が増えるというのは悲しいですよね。雇われの身である以上、残念ですが、こういった問題はどうしようもないと思います。
ボーナス(賞与)について
ボーナスは半年に1回、6月と12月に出ていました。多くの病院がそうだと思いますが、3回に分けて支給される病院もあります。
初めてのボーナスは基本給+地域手当の約1か月分でした。手取りでいうと、191,457円です。4月に入職してまだ3ヶ月しか働いていないので、約1ヶ月分といった感じです。新人でもこれだけ貰えるので素晴らしい世の中だと思います。
僕は学生時代にアルバイトをしてはいましたがせいぜい月に数万円程度しか稼いでいなかったので、ボーナスを貰った当時はウッキウキでした。初めてのボーナスではサングラスや腕時計を買いました。サングラスは今も時々使っていますが、腕時計は着けていません。そんなもんだと思います。
2回目のボーナスは手取りでいうと、413,886円でした。一般的に冬のボーナスの方が若干高かった気がします。
僕は12月が誕生日ということもあって、服やサイフ、キーケースなど、色々買いましたね。
年収について
では具体的に年収がいくらだったのか、お話します。
1年目の年収は約270万円、2年目の年収は約400万円でした。1年目と2年目で大きく差が開いていますね。やはり当直をやり出すと年収がアップします。ちなみに翌年の3年目は約440万円でした。
冒頭でも書いた通り、給与所得者の7割程度が年収500万円以下と言われているので、稼ぎは良かったなと思います。もちろん病院によって大きく違うのは言うまでもありません。
おわりに
今回は放射線技師の給料について書きました。
生きていくうえでお金は必要なので、放射線技師がいくら稼げるのかって気になりますよね。調べればある程度情報は出てくるのですが、実際に働いている人間の話に価値を見出してもらえると嬉しいです。
結構年功序列の文化が残っているので、上に行けば行くほど上がる印象です。年収1,000万円は到達可能かという話がたまに挙がるのですが、管理職になって年収1,000万円みたいなことはあるようです。
ちなみに…それ以上お金を稼ぎたいという方には放射線技師は向かないと思います。年収1,500万円や2,000万円を目指すなら、それ相応の企業に勤めたり、独立して自分の事業をやることをオススメします。
放射線技師は国家資格という一つの安定したポジションを得つつ、ある程度の収入を得られる職種なので、仕事内容に興味のある方にはオススメです。
この内容はYouTubeのチャンネルでも解説しておりますので、是非ご覧いただければ幸いです。
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