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絶対に断らない救急病院で働く放射線技師の考え

先日、Mrサンデーという番組で、「絶対に断らない救急病院」という特集が放送されていました。

これに対する僕の考えは少しツイートしましたが、もう少し深堀していきたいと思います。

バックボードに固定されてきた患者の対応|バックボードの説明とその扱い方

絶対に断らない救急病院の現状

当院は、救急車にて運ばれてくる患者を全件受け入れています。

受け入れるのはもちろん医師ですが、画像検査はほぼ必須ですので、僕ら放射線技師にも大きく関わってくるところです。

病院長より、救急車は全て受け入れてくださいとの通達があってから、やはり当直が忙しくなってきたと感じています。

絶対に断らないことのデメリット

受け入れてくれる病院に患者が集中する

患者の容態によっては、受け入れることができない患者もいます。そういう場合は、ある程度規模の大きい、環境が整った病院に搬送することが多いかと思います。

救急病院を何段階かに分け、この程度の病態であればこの病院へ、というのも決まっているかと思います。

しかし、絶対に断らないと掲げてしまうと、重症患者をメインで受け入れる病院なのに、軽症患者が多数来ることもあります。

救急隊の方が、「あの病院なら受け入れてくれる」と頼っていただけるのは良いことなのかもしれませんが、役割分担が破綻するわけです。

受け入れてくれる病院に患者が集中してしまいます。

救急が忙しくなるとどうなるか

準夜帯~深夜帯でいうと、僕ら放射線技師は寝れなくなります。睡眠不足はミスを招く原因であり、24時間(日勤帯で通常通り業務を行ったあと)ほぼ寝ずに業務を行うのは非常に負担が大きいです。

やはり身体が疲弊してしまいますね。

疲弊してしまうのは放射線技師だけでなく、医師や看護師もです。僕らは画像検査に努めればいいですが、医師や看護師は受け入れから診察終了まで様々なことをしなければなりません。

軽傷患者を多数受け入れた結果、重症患者が来た際にベストなパフォーマンスをできないのは悔やまれると考えます。

トリアージに近い考えですが、何を優先すべきか、というのは念頭に置いてほしいものです。

たらい回しにすればいいとは思っていない

救急車たらい回し問題は、しばしばニュースでも取り上げられています。

たらい回しにされ、妊娠中の母子が亡くなった事件もありました。なので、たらい回しにするべきではないです。

重要なのは、病院の規模や環境によって、きちんと役割分担をすることだと思います。

おそらくどこの病院も人手不足かもしれませんが、ルールがきちんと機能するといいですね。

ABOUT ME
rad-yamato
大規模病院とクリニックを経験した診療放射線技師8年目。趣味は昼寝・筋トレ・ダンス・料理・読書・ゲーム・ゴルフ・キャンプなど。ブログには新人放射線技師・看護師や研修医の方へ向けた内容や、仕事に役立ちそうな話を書いています。 公式LINEアカウントもありますので、気軽にご相談ください。